船の出航は「別れ」であるので物寂しいのはともかく、着岸のようすもなんとなく物寂しいのはあたしだけかね。
まあ、だいぶ前に高速船で熱海から初島に渡ったことがあるが、今回は高速船の着岸から出航をご見学になるのである。
見るだけで何が楽しいかと問われればぐうの音も出ないが、そこはそれ、人生の隅々まで極楽とする象師匠の心意気である。
ううう、この文章を書きながら、プロの作家としてあまりの情けなさに、なにやら涙もにじんで、景色もにじむ今日この頃である。
誰がプロの作家だ。
それ、受けてないからやめなさい。
おおきなお世話だ。
おつむの具合いのあれこれはさておいて、初島にれっつらごーしたい場合はこの窓口でチケットをお買い上げになればよろしいのである。
初島までは高速船に乗ればなんと25分で着くと言い張っておられるので、あたしの経験からも日帰りは楽勝である。
ただし、日帰りしたい場合は帰りの便の時間を確認してから、どの便にするか計画しないと、泳いで帰ることになるのである。
泳いで帰る心意気と体力に自信のない人は一泊する覚悟とお金が必要となるのである。
覚悟とお金のない人は野宿となるのはいうまでもないことである。
さて、チケットを買ったらこのゲートの前に並んで、船の到着を待つわけである。
この日は晴天であるので時刻通りに到着・出航であるが、天候によっては遅延あるいはお取り止めてなこともあるのはもちろんであるので、そこはそれ、流れに身を任せて生きることを是とする象気功のあれこれである。
聡明な信者はお気づきの通り、展開に詰まると「あれこれ」でごまかすわけであるが、それもこれも神のお告げとすれば、なるべくしてなるこの世のことわりのあれこれである。
並んでそうこうしてるうちに、たいていは船が到着するので、並んでぞろぞろとご乗船遊ばすと、あとは高速船の豪快な海路のひよりをお楽しみになったり、船に弱い人は船酔いで死にそうになったりできるのである。
えーと、まあ、そんなことでひとつ。
写真でポン