仕事のついでに蓼科湖に立ち寄ってコロナ退散を祈願するのである。
ついでと言っては蓼科湖に大変失礼であるが、仕事のついででもなけりゃこんなところにこないのである。
こんなところというのはさらに蓼科湖に失礼であるが、コロナでだーれもいないし、つまんねーことおびただしいのである。
お土産屋さんの並んだ商店街も季節はずれとコロナでだーれもいないのである。
しかし、天気は快晴で付近の山々を望めば絶景である。
文章がありきたりかよ。
でも、まあ、蓼科湖を見ないで一生を終えるのもなんであるので、何事も一度は経験するというあたしのコンセプトにのっとって、いわゆるボードウォークの遊歩道をてくてく歩いて夕刻の蓼科湖をご堪能なさったわけである。
だーれもいない遊歩道を歩いて行けば、遊歩道の隣に繋がれているヤギさんもメ~と鳴いているのである。
今更であるがヤギさんはメ~とほんとに鳴くのである。
え”~と聞こえないこともないのであるが、やっぱりメ~と聞こえる方が妥当ではないかと思う今日このごろである。
文章がてきとーかよ。
だーれもいないと思ってたら、お手々をつないだ熟年のカップルに出会ったのである。
長身痩躯の男性は初老で白髪であるが、女性は黒髪であるので、染めてるにしても50代である。
熟年でお手々をつないでいるのは夫婦ではないというのがあたしの確固たる持論である。
もちろんどちらかが認知症あるいは脳梗塞の後遺症等で介護状態である場合はのぞくのは言うまでもないことである。
それで、面白いので後ろからついていったら、女性が「わたしのうちのお庭はねえ」てなことを甘えるように話してるので、「おお、これは絶対に怪しい関係だ、やったぜベイビー!」と歓声を上げたくなったが我慢したのは言うまでもないことである。
見られてまずい関係の方は今の時期に蓼科湖におデートに行くと実によろしいのである。
お二人のお手々をつないだ写真をアップできないのが実に悔しい成り行きであるが、これで写真をアップしたら、ことによっては訴訟ざたになるのである。
駐車場まであとを付けて行ったら、初老の男性のお車は紺色のBMWであるので「はは~ん、なるほどねえ」と納得したのである。
返す返すも写真付きでレポートできないのが実に残念の極みである。
ストーカーかよ。
あたしのお車はもちろん最近お気に入りの自動運転装置付きの日産のケー自動車である。
あたしは元来ケー自動車なんかなんだっていいのである。
軽自動車なんか早いも遅いもかっこいいも悪いもないのである。
どうやったってチンケなケー自動車であるので、恥ずかしい赤ベンツの方がいいにきまってるのである。
ところが池袋のじじいの件その他を見るにつけ、車を買い換えるにあたってケー自動車といえども安全装備充実という観点からJSCNP自動車アセスメントというサイトを矯めつ眇めつ研究して、ケー自動車で一番安全なのはどれかということで日産のデイズにたどり着いたのである。
他のケー自動車はなんちゃって自動ブレーキで人も子供も轢き放題で踏み間違えぶつけ放題であるのである。
ところがデイズを注文してるまっ最中にあろうことかマイナーチェンジしたのである。
これで注文が一ヶ月前だったら納車済みで馬鹿丸出しである。
営業のおっさんに「おいおい、なんだよ、売る気があんのかよ」と文句を言ったら、下っ端の営業にはモデルチェンジのタイミングは教えてもらえないそうである。
それで調査したら、今年発売の日産のルークスが先進機能で、それに合わせてデイズもあれこれの機能を加えたということである。
デイズにあれこれ加えてもルークスの方がさらにあれこれ先進であるということで、じゃあ、ルークスでいいじゃんということで注文したら250万もふんだくられたのである。
下取り19万と値引きを数万引いて250万である。
普通車のいいのが買えるじゃんということであるが、実は広大な100万坪の我が家の敷地内の山の上に先祖代々700年ものの墓石がいくつあるかわからん墓所があり、普通車が通れない細い山道を通ってそこに年に3回掃除に行くためにケー自動車が必要なのである。
誰が100万坪だ。
それ以外はいらないのであるが、掃除道具を持って歩いていくのはめんどくさいので、古くはミゼットに始まって父祖代々の我が家のしきたりで年に3回の墓掃除用にケー自動車を買うことになっているのである。
もちろん、あたしは自他ともに認める古今未曾有史上最強の霊能力の持ち主である都合上、前所有者のわけのわからん霊の付いた中古車はご法度であるので、常に新車購入である。
意味不鮮明かよ。
それで、買ったら、これがプロパイロットという日産自慢の自動運転装置もついて、内装も含めてケー自動車とは思えないなかなかの作り込みで、赤ベンツより安全便利であるので、仕事もお買い物もこればっかり乗ってるということになったのである。
そんなこんなで蓼科でのお泊りはクリスマスの飾り付けも艶やかな蓼科グランドホテル滝の湯である。
このホテルは負債額約30億円で2010年に破綻して、のちにオリックス不動産がスポンサーとなって会社更生法が適用され、すったもんだの末、現在はマイステイズ・ホテル・グループの傘下であると言うことかね。
言うことかねって。
これが意外や意外のよろしいホテルで、食べ放題のビュッフェもなかなかの味であるし、風呂はでかいし露天風呂もでかいしである。
仕事であちこち行って、仕事であるので安いホテルに泊まるが、その安いホテルと変わらん宿泊費で広々と豪華で清潔でアメニティもケチってなくて充実である。
つまりはいつも中国人対策なのかアメニティもろくにないホテルに泊まってるので、まともなホテルで驚いたということである。
もちろんあたし一人であるが、値段が変わらんのでツインに12.5畳の和室付きという部屋を予約したのである。
そしたら、夕食ビュッフェを食いに行ってる間に和室にもお布団が二組敷いてあったので、あーらびっくりねである。
うれし恥ずかしテイッシュも枕元に用意してあるのである。
あたし一人でマスクした坊さん見て何をしろというのか。
寝床が4組あっても使いようがないので意味ないが、とにもかくにも、これで、GoTo割引にクーポンが2000円付いて、おおむね8000円である。
いいじゃありませんか。
でも、二度と来ないのである。
来ないのかよ。
てなことである。