コロナの影響で人がいない高尾山ケーブルカー清滝駅である。
いつもは平日でも大賑わいであるが、さすがに緊急事態宣言で不要不急の外出の典型の高尾山ハイキングはちらほらの人影である。
それでもケーブルカーに乗る人が数組おられて、ケーブルカーの中を見たら前の方に寄り集まって、窓が多少開いてるとはいえ密閉密集密接をみごとに実現されていて、おいおい散らばれよということである。
あたしはもちろん不要不急の暇つぶしにきたわけではなく、古今東西史上最強の天才霊能者としての霊能力を発揮して、新型コロナウイルス退散折伏を祈願するために霊験あらたかで知られる滝行の行場清滝で滝に打たれて疫病退散に向けて神を褒め倒す「ありがたいありがたい」を絶唱しに来たのである。
祈願とは言っても、神は祈られることも願われることもお嫌いであるので、ひたすらお礼を述べて「あんたはエライ!」と褒め倒すわけである。
行場の前の階段に立ち、さて服を脱ぎ捨てパンツ一丁の神事鳥船もいさましく「えいやっ」と滝を浴びようと思ったら、「行場につき立入禁止」という立て札が立っていて、あらいやんと無念のリタイアである。
ちゃんと調べてこい、ばーか。
滝は浴びずとも古今無双の予知能力も冴え渡る今日このごろであるから、日本の国難一大事に怒涛の氣を発っして人類を救わんと欲する人生行路の闇夜の夜明けは遠いのである。
意味不明かよ。
山は新緑が輝き生命の息吹をいかんなく吹き上げ、周囲はこの世の極楽のおもむきであるが、世間は緊急事態宣言自粛の嵐が吹き荒れて、さながら地獄の一丁目のおもむきである。
そば屋の立ち並ぶ駅前商店街も人っ子一人いない寂しさで、ああ、やはりこの世の終わりは来たりなんという面持ちで歩けば、ううう、いいかげんに書き始めたら詰まった。
清滝駅から京王高尾山口駅までの道も無人の状態で、この世の地獄はひたひたと足音を忍ばせてにじり寄りあたしの心胆を寒からしめるそこはかとない心の拠り所である。
でたらめかよ。
なんでもいいから人に会いたいと懇願しても人の影は見えず、あたしは人類滅亡の地球に一人取り残されたアホである。
誰がアホだ。
おお、遠くに人影が、やはり地球はまだ滅亡してなかった、ありがたいありがたいと心もうきうきあそこもめきめきである。
めきめきなの?
心が晴れ渡り、花も咲き乱れ、ああ、日本の春はこうでなくちゃねとうふふ。
あんた、めんどくさくなってるだろ。
さて、緊急事態にも関わらず元気にご開店の酒まんじゅうの店には誰かいるだろうとのぞいたが、だーれもいないのである。
これじゃ売上は平常時の100分の1かねといらぬ心配をしてしまうお人好しの象師匠であるが、たけしも来たし安倍も来たのである。
こらこら日本を代表する芸人アーティストと日本国総理大臣を呼び捨てにするんじゃないっ。
わはははははははのはーっはっはっはっは。
笑うな。
どこまで行っても人はいませんが、遅咲きの桜が咲いてるのである。
もちろん近くによって桜を愛でてうふんとつぶやいてみたのである。
何言ってるの?
わかりません。
ありがたいありがたい。
終わります。
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